携帯電話は相手の居場所がわからなくても電話がつながります。
でも、これって一体どういう仕組で実現できているのでしょうか?
キーワードは「電話交換局」と「スマホや携帯電話の現在位置を把握する技術」の2つです!
携帯電話がつながる仕組みをまとめました。
電話がつながる仕組み
電話は「電話をかける人」とその「電話を受ける人」がいます。
そして、その間に幾つもの電話交換局というものがあります。
この電話交換局(建物)の内部には電話交換機というものが設置してあって、Wikipediaにはこう書いてあります。
引用
電話交換機(でんわこうかんき)とは、電話回線を相互接続し電話網を構成するための交換機である。
無数の「電話をかける人」とその「電話を受ける人」の組み合わせがあるので、電話交換局がひとつひとつハブになることで、
「電話をかける人」から始まり、「電話を受ける人」により近い方へ近い方へと電話交換局を経由して回線が自動的につながれていきます。
どの電話番号にかけるとどの電話交換局を経由すればいいかは電話番号でわかります。
固定電話の場合
電話番号が例えば03-9876-5432ですと03で東京地域ということがわかり、9876で東京都の何区の電話交換局につなげればいいかがわかり、5432で誰の電話機に繋げたらよいかがわかります。
電話番号を指定すれば、日本中にある電話交換局を次々に経由して、「電話を受ける人」の電話機にたどり着く仕組みになっています。
携帯電話、スマートフォンの場合
携帯電話では「電話をかける人」と「電話を受ける人」双方の位置が変わっても同じ一つの電話番号で接続できるようになっています。
携帯の電話番号が080-1234-5678ですと080が携帯電話であることを示していて、1234-5678の8桁の数字でその人が加入している携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンク)とユーザ(その人)を表しています。
携帯電話会社のネットワークには、すべての端末(携帯電話、スマートフォン)の現在位置がおおまかに県や区といった広さの範囲(位置登録エリア)であらかじめデータベースに位置情報として登録されています。
その一方で、端末(携帯電話、スマートフォン)では常に近くにある無線基地局(直接端末に電波を送る電波塔)から自分が現在居る位置登録エリアを知らされています。
もしも、無線基地局から受け取ったその情報が以前のものと違っていたら、自分の現在位置が変わったということを携帯電話会社のネットワークに通知します。
そうすることで、データベース内のその端末(携帯電話、スマートフォン)の位置情報が更新されます。
これを位置登録といいます。
このようにして、位置登録エリア単位で、端末(携帯電話、スマートフォン)の現在位置を常に把握し続ける事ができるのです。
誰かが電話をかけると、その人が加入している電話会社の電話交換局の交換機に接続されます。
データベースによって相手がどこに居るのかおおよそ分かるので、その位置の近くにある電話交換局に接続します。
そして次に、その位置登録エリアの中にある全ての無線基地局から、相手の端末を呼び出す信号が一斉に送られます。
無線基地局は位置登録エリアの中に幾つもあります。これは日本中をカバーするためです。
該当する電話番号の端末は自動で応答し、その信号を送っている基地局が端末に応答されたことを確認し、その端末と接続できる無線基地局が特定されます。
その後は接続先が正当なユーザかの確認をし、大丈夫だったら電話機を鳴動させます。
そして相手の人が気づき、電話に出れば、通話を開始することができます。
移動しながら通話できるのはなぜ?
携帯電話は移動しながら通話できますよね。
それはなぜかというと無線基地局のカバーするエリアが日本中くまなく敷き詰められているためです。
端末は通話中に通信している基地局の電波の強さを測っています。
またそれ以外の周囲の基地局の電波の強さも定期的に測定しています。
そしてその両方の電波の強さの比較を行っています。
通話中に移動したことにより、現在通信している基地局の電波が弱くなり、他の基地局の電波の強さのほうが強くなったら、
自分にとって適切な基地局が変わったと判断し、その旨を携帯電話会社のネットワークに通知します。
通知を受けたネットワークがその端末を新たな基地局に接続し直します。
こうすることで移動しながらでも通信が途切れることなく継続することができるのです。
この仕組をハンドオーバといいます。
ハンドオーバとは
「ハンドオーバ」とは、携帯電話の通信システムにおいて、移動中の携帯電話が一つの基地局から別の基地局へ通信を切り替えるプロセスのことです。
これにより、移動中のユーザーが途切れることなく通話やデータ通信を続けることができます。
ハンドオーバのプロセスは以下のように進行します:
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信号強度の監視:携帯電話は常に周囲の基地局からの信号強度を監視しています。移動することで、現在接続している基地局の信号が弱くなり、別の基地局の信号が強くなることがあります。
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ハンドオーバの決定:信号強度がある閾値を下回ると、携帯電話はハンドオーバを要求します。この決定は、携帯電話自身や現在の基地局、中央の制御システムによって行われることがあります。
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新しい基地局への接続:ハンドオーバの要求が受け入れられると、携帯電話は新しい基地局へ接続を試みます。この間、旧基地局との接続は維持されます。
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シームレスな切り替え:新しい基地局への接続が確立されると、通信は新しい基地局を通じて行われるようになります。この切り替えは非常に速く行われ、ユーザーは通話やデータ通信の中断を感じることはほとんどありません。
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旧基地局との接続解除:新しい基地局への接続が確立された後、旧基地局との接続は解除されます。
ハンドオーバは、携帯電話が移動中でも連続的な通信を保証するために不可欠なプロセスです。
特に高速で移動する状況(例えば、車や電車での移動)では、このプロセスが頻繁に発生します。
ハンドオーバの成功は、ネットワークの品質とユーザー体験に直接影響を与える重要な要素です。
まとめ
- 電話番号によって端末を識別している
- 電話番号をもとに電話交換局を経由して相手の端末とつながることができる
- 携帯電話は無線基地局が日本中のエリアをカバーしているので、移動していても通話が途切れることがない!
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