スマホの対応バンドの基礎知識から、ドコモ、au、ソフトバンクに加え、楽天モバイルの対応状況、そしてお手持ちのスマホの対応バンドを確認する方法まで、誰でも簡単に理解できるように解説します。
「自分のスマホはどのバンドに対応しているんだろう?」「SIMフリースマホを買いたいけど、どのバンドに対応していればいいの?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。
スマホの対応バンドとは?ドコモ/au/ソフトバンク/楽天モバイルの対応状況と確認方法
スマホの「バンド」とは、携帯電話が通信するために使用する電波の周波数帯のことです。スマホが利用できるバンドは、そのスマホの機種によって異なります。
日本国内でスマホを利用する場合、お使いのSIMカードの通信キャリアが使用しているバンドに対応している必要があります。もし対応していない場合、電波を受信できず、通話やデータ通信が利用できない可能性があります。
特にSIMフリースマホを利用する場合は、購入前にしっかりと対応バンドを確認することが非常に重要です。
主要キャリアの対応バンド
ここでは、日本の主要キャリアであるドコモ、au、ソフトバンク、そして楽天モバイルが主に利用しているバンドを紹介します。
ドコモ回線に対応しているバンドは?
ドコモ回線で快適にスマホを利用するために重要なバンドは以下の通りです。
- 4G LTE: バンド1(2.1GHz)、バンド3(1.7GHz)、バンド19(800MHz)、バンド21(1.5GHz)、バンド28(700MHz)、バンド42(3.5GHz)
- 3G: バンド1(2.1GHz)、バンド6(800MHz)、バンド19(800MHz)
特にバンド1、バンド3、バンド19は、ドコモの主要なバンドであり、これらのバンドに対応しているスマホであれば、広いエリアで快適に利用できる可能性が高いです。
au回線に対応しているバンドは?
au回線で重要なバンドは以下の通りです。
- 4G LTE: バンド1(2.1GHz)、バンド18/26(800MHz)、バンド41(2.5GHz)、バンド42(3.5GHz)
- 3G: バンド1(2.1GHz)
auの特徴的なバンドとしては、バンド18とバンド26があります。これらは同じ周波数帯を利用しており、プラチナバンドと呼ばれ、繋がりやすいのが特徴です。バンド18/26に対応していないとどうなる? 対応していない場合、特に郊外や屋内など、電波が届きにくい場所で繋がりにくくなる可能性があります。
ソフトバンク回線に対応しているバンドは?
ソフトバンク回線で重要なバンドは以下の通りです。
- 4G LTE: バンド1(2.1GHz)、バンド3(1.7GHz)、バンド8(900MHz)、バンド28(700MHz)、バンド41(2.5GHz)、バンド42(3.5GHz)
- 3G: バンド1(2.1GHz)、バンド8(900MHz)
ソフトバンクでは、バンド1、バンド3、バンド8が主要なバンドとなります。特にバンド8はプラチナバンドと呼ばれ、広いエリアをカバーしています。
楽天モバイル回線に対応しているバンドは?
楽天モバイル回線で快適にスマホを利用するために重要なバンドは以下の通りです。
- 4G LTE: バンド3(1.7GHz)、バンド18(800MHz)(パートナー回線:au)、バンド26(800MHz)(パートナー回線:au)
- 5G: n77(3.7GHz)
楽天モバイルは、自社回線としてバンド3を主要なバンドとして展開しています。また、パートナー回線としてauのバンド18とバンド26を利用しています。
楽天モバイルのエリア内であればバンド3で快適な通信が期待できますが、エリア外ではauのバンド18/26に接続されることがあります。そのため、楽天モバイルを利用する場合は、バンド3に加えて、バンド18またはバンド26に対応しているスマホを選ぶと、より広いエリアで利用できる可能性が高まります。
また、楽天モバイルは5Gサービスも提供しており、その主要なバンドはn77です。5Gを利用したい場合は、スマホがこのバンドに対応しているか確認が必要です。
誰でもスマホはどのバンドに対応していますか?
一般的に、日本国内で販売されているスマホは、上記の主要キャリアが利用する複数のバンドに対応していることが多いです。しかし、海外で購入したSIMフリースマホなどは、一部のバンドにしか対応していない場合があります。
ご自身の利用したい回線に合わせて、スマホが対応しているバンドを確認することが大切です。
スマートフォンで使用しているバンドを確認する方法は?
現在お使いのスマートフォンがどのバンドに対応しているかを確認する方法はいくつかあります。
iPhoneの場合
iPhoneの対応バンドは、Appleの公式サイトで確認できます。お使いのiPhoneのモデル番号を調べて、対応バンド一覧を確認しましょう。「iphone 対応バンド 一覧」で検索すると、情報が見つかりやすいです。
Androidの場合
Androidスマホの場合、機種によって確認方法が異なります。
- メーカーの公式サイトや製品ページ: お使いのスマホのメーカー公式サイトや製品ページで、対応バンドの仕様が記載されています。「[機種名] 対応バンド」で検索してみましょう。
- 取扱説明書: スマホに付属している取扱説明書にも、対応バンドの情報が記載されている場合があります。
- 対応バンド確認アプリ: Google Playストアには、スマホの対応バンドを確認できるアプリがいくつかあります。「android バンド確認 アプリ」で検索して、評価の高いアプリを試してみるのも良いでしょう。
- 設定メニュー(一部機種): 一部のAndroidスマホでは、設定メニューから対応バンドを確認できる場合があります。通常は、「設定」>「デバイス情報」>「ハードウェア情報」などの項目に記載されていることが多いです。
SIMフリースマホの場合
SIMフリースマホの場合も、基本的にはメーカーの公式サイトや製品ページで確認できます。「simフリー 対応バンド 一覧」といったキーワードで検索すると、多くの情報が見つかります。
スマホ 対応バンドを増やすことはできる?
残念ながら、スマホの対応バンドを後から増やすことは基本的にできません。スマホの対応バンドは、ハードウェア(通信チップ)によって決まっているため、ソフトウェアのアップデートなどで変更することはできません。
そのため、スマホを選ぶ際には、将来利用する可能性のあるキャリアのバンドも考慮して選ぶことが重要です。
バンドに関する用語集
-
バンド: 電波の周波数帯のこと。特定の範囲の周波数を指し、通信に利用されます。
-
周波数帯: 電波の周波数の範囲。電波は、その周波数によって様々な特性を持ち、通信、放送、レーダーなど、様々な用途に利用されます。
-
プラチナバンド: 700MHz~900MHzの周波数帯のことで、電波が届きやすく、屋内や地方でも快適な通信が可能になるバンド。プラチナバンドは、低い周波数帯であるため、障害物を回り込みやすく、広いエリアをカバーできるという特徴があります。
-
SIMフリースマホ: キャリアによる利用制限がなく、自由にSIMカードを差し替えて利用できるスマホ。SIMフリースマホは、ユーザーが自分のニーズに合わせてキャリアやプランを自由に選択できるというメリットがあります。
-
au 対応バンド: auが使用している周波数帯のこと。
スマホの対応バンドを増やすことはできるの?
スマホの対応バンドを後から増やすことは、基本的にできません。
スマホのハードウェアが対応しているバンドが決まっているためです。スマホの内部には、特定の周波数帯の電波を受信・送信するための回路が組み込まれており、これらの回路は、製造段階で固定されています。
そのため、ソフトウェアのアップデートなどによって、対応バンドを増やすことはできません。
LTE回線の対応周波数、対応バンドの電波について
まずはLTEについてです。
LTEは3G回線に比べるとすごく早いです。
Wi-Fiとおなじ感じで使えますので、これがきちんと利用できるかどうかが、スマートフォンの通信速度を決めると言っても過言ではないです。
きちんとした知識を持ってスペック表を見るべきなのです。
現在日本の主要な携帯の通信事業はドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルですが、この4社はそれぞれ自分たちの通信網を持っています。
すなわち、4社の所有している電波網はそれぞれ異なります。
そこで、自分たちの所有している電波の方式(LTEとか3G)は、同じなのにどのように自社の電波であると区別しているのでしょうか?
そこで必要なのが電波の周波数です。この周波数、単位はヘルツ(Hz)でその数字が大きければ大きいほど電波が届くのが早くなります。
逆に周波数が低ければ遅くなります。(といってもあまり体感は変わらないですけど。)
でも電波というのは以下の図のように、音と同じで波の性質を持っています。
障害物(建物や高速道路、電車などありとあらゆる物質)があると高い周波数ほど電波が回りこまず、そこで電波の通り道がシャットアウトされ遠くまで届くことができません。
ですので、通信事業者は一つの周波数で電波を送るのではなくて高いものから低いものまで幾つかの周波数に分けて電波を送っています。
そうすることによって、より広範囲に電波が届くようにしてあるのです。
ラジオ波を介してデータを送受信するための”通信路”
LTE(Long Term Evolution)や3G(3rd Generation)は無線通信の規格で、それぞれが特定の周波数帯域(バンド)を使用します。
これらの周波数帯域は、ラジオ波を介してデータを送受信するための”通信路”のようなものです。
周波数帯域の選択は重要で、それは物理的な特性と規制の両方に依存します。
高い周波数は通常、より高いデータレートを提供できますが、物理的な障害物によって影響を受けやすく、また通信距離が短くなります。
一方、低い周波数は長距離をカバーすることができ、障害物をよりよく透過しますが、一般的には低いデータレートを提供します。
規制面では、各国の政府や規制機関が特定の周波数帯域をどのように使用するかを決定します。
LTEや3Gのバンドは世界中で多少異なりますが、以下に一部を示します。
– 3G(UMTS):バンド1(2100 MHz)、バンド2(1900 MHz)、バンド5(850 MHz)、バンド8(900 MHz)など
– 4G LTE: バンド1(2100 MHz)、バンド2(1900 MHz)、バンド3(1800 MHz)、バンド4(1700/2100 MHz)、バンド5(850 MHz)、バンド7(2600 MHz)、バンド8(900 MHz)、バンド20(800 MHz)など
ある国や地域での通信機器の互換性を確認するため、または通信機器が特定の地域や国で機能するかどうかを確認するために、対応するバンドと周波数を知ることは重要です。
周波数がスペック表にどの様に書いてあればいいの?
では、周波数やバンドについてわかったところで、どの周波数やバンドに対応していれば日本でスマートフォンとして優秀なのか書いていきます。
SIMフリーのスマートフォンで格安SIMを利用するときはその通信事業者が、提供している通信網に合致しているかが重要です。
そうすると、事業者ごとにいちいち周波数やバンドを調べなければいけないの?
と思う人もいるかと思いますが、安心してください。
いわゆる格安SIMを提供している通信事業者(MVNOという)は、現在のところそのほぼすべてが、ドコモの通信網を貸してもらって事業を行っています。ドコモに利用料を支払って借りているんですね。
なので格安SIMを利用しようと思ったら、とにかくドコモの所有する周波数に対応しているかどうかをみればいいわけです。
ドコモの部分だけもう一度出します。
この4つの中でどの周波数に対応していればいいかというと、
※上から順に優先度が高いです。
と、このようになります。上2つはぜひ対応していて欲しいです。
1番は対応していないとちょっと話になりません。
どちらか一つしか対応していない機種を買うのはあまりおすすめしません。
一番いいのはやはり、
最近のSIMフリースマホでは、中上級でだいたい大丈夫です。
iPhone系は、対応しています。
そしてSIMフリースマートフォンもありますので、高級志向の方は検討してみるのもいいのではないでしょうか?

楽天モバイルのプラチナバンドはどうなった?
楽天モバイルのプラチナバンドに関する状況は、2024年に総務省から新たに700MHz帯の割当を受けたことで大きく進展しました。
このバンドは、これまで楽天モバイルが自社で保有していなかったため、屋内や地方での電波の繋がりにくさが課題となっていました。
割当を受けたことにより、これらのエリアでの通信品質の改善が期待されています。
具体的には、楽天モバイルは割当を受けたプラチナバンドを、既存の基地局に加えて、新たな基地局の建設を通じて展開していく予定です。これにより、楽天モバイルのユーザーは、これまで以上に広いエリアで、安定した通信サービスを利用できるようになる見込みです。
ただし、プラチナバンドの利用が開始される時期は、地域によって異なり、段階的にサービスエリアが拡大していく予定です。
そのため、お住まいの地域での利用開始時期については、楽天モバイルの公式サイトなどで最新情報を確認することをおすすめします。
[PR]楽天モバイル
まとめ:スマホの対応バンドをしっかり確認して快適なスマホライフを!
この記事では、スマホの対応バンドの重要性、主要キャリアの対応状況、そして確認方法について解説しました。
SIMフリースマホを選ぶ際はもちろん、現在お使いのスマホがどのバンドに対応しているかを知っておくことは、より快適なスマホライフを送るために非常に重要です。
今回の情報を参考に、ご自身のスマホの対応バンドをしっかりと確認し、最適なスマホ選びをしてくださいね。
コメント