スマートフォンを購入しようとするとよくその端末のスペックが気になりますが、数字を見てもよくわからないところもあります。
とくにSIMフリースマートフォンを購入し格安SIMを利用しようとするとき、格安SIMの事業者が提供している通信網でその端末がきちんと通信が行えるか不安になる人もいると思います。
そして、そのスペックを見る時に必ずLTEや3G 回線の「対応周波数」とか「対応バンド」とか書いてある項目があると思います。
でも2100とかバンド3とか書いてあってもなんのことかよくわからないという人が多いと思います。
そもそも2100や1800、900という数字が書いてあることやバンド1やバンド3などのようなバンド~といったふうに書いてあってなんで書き方が2種類あるのか?と思う人もいるかと思います。
しかもこの書き方が製品によってまちまちで、どんな「数字」をみれば日本国内での利用に適しているのかわかりません。
この記事では、このようにわかりずらい回線の「数字」について解説していこうと思います。
そして、スペックの欄にどんな数字が書いてあれば大丈夫なのか結論を記しておきます。
とにかくどの数字があればOKなのか結論だけしりたいという人は下の方に書いておくのでそこを見てください。
LTE回線の対応周波数、対応バンドについての解説
まずはLTEについてです。
LTEは3G回線に比べるとすごく早いです。
Wi-Fiとおなじ感じで使えますので、これがきちんと利用できるかどうかが、スマートフォンの通信速度を決めると言っても過言ではないです。
きちんとした知識を持ってスペック表を見るべきなのです。
現在日本の主要な携帯の通信事業はドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルですが、この4社はそれぞれ自分たちの通信網を持っています。
すなわち、4社の所有している電波網はそれぞれ異なります。
そこで、自分たちの所有している電波の方式(LTEとか3G)は、同じなのにどのように自社の電波であると区別しているのでしょうか?
そこで必要なのが電波の周波数です。この周波数、単位はヘルツ(Hz)でその数字が大きければ大きいほど電波が届くのが早くなります。
逆に周波数が低ければ遅くなります。(といってもあまり体感は変わらないですけど。)
でも電波というのは以下の図のように、音と同じで波の性質を持っています。
障害物(建物や高速道路、電車などありとあらゆる物質)があると高い周波数ほど電波が回りこまず、そこで電波の通り道がシャットアウトされ遠くまで届くことができません。
ですので、通信事業者は一つの周波数で電波を送るのではなくて高いものから低いものまで幾つかの周波数に分けて電波を送っています。
そうすることによって、より広範囲に電波が届くようにしてあるのです。
ラジオ波を介してデータを送受信するための”通信路”
LTE(Long Term Evolution)や3G(3rd Generation)は無線通信の規格で、それぞれが特定の周波数帯域(バンド)を使用します。
これらの周波数帯域は、ラジオ波を介してデータを送受信するための”通信路”のようなものです。
周波数帯域の選択は重要で、それは物理的な特性と規制の両方に依存します。
高い周波数は通常、より高いデータレートを提供できますが、物理的な障害物によって影響を受けやすく、また通信距離が短くなります。
一方、低い周波数は長距離をカバーすることができ、障害物をよりよく透過しますが、一般的には低いデータレートを提供します。
規制面では、各国の政府や規制機関が特定の周波数帯域をどのように使用するかを決定します。
LTEや3Gのバンドは世界中で多少異なりますが、以下に一部を示します。
– 3G(UMTS):バンド1(2100 MHz)、バンド2(1900 MHz)、バンド5(850 MHz)、バンド8(900 MHz)など
– 4G LTE: バンド1(2100 MHz)、バンド2(1900 MHz)、バンド3(1800 MHz)、バンド4(1700/2100 MHz)、バンド5(850 MHz)、バンド7(2600 MHz)、バンド8(900 MHz)、バンド20(800 MHz)など
ある国や地域での通信機器の互換性を確認するため、または通信機器が特定の地域や国で機能するかどうかを確認するために、対応するバンドと周波数を知ることは重要です。
日本の通信事業者が持っているバンドは?
日本の主要な通信事業者は、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI(auブランド)、楽てモバイルであり、それぞれが複数の周波数帯域(バンド)を利用しています。
ここでは、それぞれの事業者が利用している主なバンドについて紹介します。
- NTTドコモ:LTE Band 1 (2100 MHz), Band 3 (1800 MHz), Band 19 (800 MHz), Band 21 (1500 MHz), Band 28 (700 MHz)
- ソフトバンク:LTE Band 1 (2100 MHz), Band 3 (1800 MHz), Band 8 (900 MHz), Band 28 (700 MHz), Band 41 (TDD 2500 MHz)
- KDDI (au):LTE Band 1 (2100 MHz), Band 3 (1800 MHz), Band 18 (800 MHz), Band 26 (850 MHz), Band 28 (700 MHz), Band 41 (TDD 2500 MHz)
- 楽天モバイル:LTE Band 1 (2100 MHz), Band 3 (1800 MHz), Band 8 (900 MHz), Band 18 (800 MHz), Band 28 (700 MHz), Band 41 (TDD 2500 MHz)
なお、通信事業者はそれぞれ5Gネットワークの展開も進めています。
5Gの周波数帯域は、それぞれの国や地域の規制当局によって異なりますが、日本では一部の帯域が既に事業者に割り当てられています。
周波数がスペック表にどの様に書いてあればいいの?
では、周波数やバンドについてわかったところで、どの周波数やバンドに対応していれば日本でスマートフォンとして優秀なのか書いていきます。
SIMフリーのスマートフォンで格安SIMを利用するときはその通信事業者が、提供している通信網に合致しているかが重要です。
そうすると、事業者ごとにいちいち周波数やバンドを調べなければいけないの?
と思う人もいるかと思いますが、安心してください。
いわゆる格安SIMを提供している通信事業者(MVNOという)は、現在のところそのほぼすべてが、ドコモの通信網を貸してもらって事業を行っています。ドコモに利用料を支払って借りているんですね。
なので格安SIMを利用しようと思ったら、とにかくドコモの所有する周波数に対応しているかどうかをみればいいわけです。
ドコモの部分だけもう一度出します。
この4つの中でどの周波数に対応していればいいかというと、
※上から順に優先度が高いです。
と、このようになります。上2つはぜひ対応していて欲しいです。
1番は対応していないとちょっと話になりません。
どちらか一つしか対応していない機種を買うのはあまりおすすめしません。
一番いいのはやはり、
最近のSIMフリースマホでは、中上級でだいたい大丈夫です。
iPhone系は、対応しています。
そしてSIMフリースマートフォンもありますので、高級志向の方は検討してみるのもいいのではないでしょうか?
3G回線の対応周波数、対応バンドについて
3G回線については長々と書いてもLTEとほとんど同じ内容になりますし、LTE対応していれば3G回線を使うこともほとんど無いでしょうから、結論だけにとどめておきます。
結論としては、ドコモが所有している3G回線の周波数は2100MHz(バンドⅠ)、1700MHz(バンドⅨ)、800MHz(バンドⅩⅨ)です。
対応していて欲しいのは優先度順に
- 2100MHz(バンドⅠ)
- 800MHz(バンドⅩⅨ)
- 1700MHz(バンドⅨ)
「LTEや3Gの対応周波数やバンドとはなにか?どれをえらべばいいのか解説」まとめ
いやはや通信回線関連の用語というものはややこしいですね。
料金体系にしてもそうですが知らないと損することばかりです。
LTEの周波数にしても同じです。
よく知らずにSIMフリースマホを買ってもきちんと格安SIMで運用できなかった、なんてこともありえます。
とにかくLTEは2100MHz(バンド1)、1800MHz(バンド3)、800MHz(バンド19)の3つが対応しているかどうかをきちんとみるといいでしょう。
皆さんはこの記事を参考にして、賢くスマホを購入してください。
この記事が皆さんのお役に立てたのなら幸いです。
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