2014年に発売されたiPhone 6から搭載されて世界的に注目を集めているNFCとうものがあります。
NFCとは一体何でしょうか?
NFCについて
NFCとはNear Field Communication(ニアーフィールドコミュニケーション)の略で、意味は「近い場所でのやりとり」といったところでしょうか。
「かざす」ように近づけるだけで機器同士で通信ができる国際標準の近距離通信規格です。
非常に簡単にデータ通信が行えます。
NFCは10数センチほどの至近距離でデータ通信を行います。
よく似たものでBluetoothやWi-Fiなどよりも極端に短いです。
NFCはその通信距離が低距離ゆえに悪質な他人に通信が傍受されないという利点があります。
物理的に傍受するのが難しいからです。
その特性を活かしてBluetoothやWi-Fiとも連携できます。
それについては後半で説明します。
NFCの用途は
例えば、NFCを搭載しているスマートフォンからNFCを搭載したテレビやパソコンに「かざす」ことでスマートフォンに保存してある写真や動画をテレビ、パソコンに表示することができます。
またNFCを搭載したプリンターに「かざす」ことで写真を印刷することもできます。
NFCとBluetoothの違いは?
NFCとBluetoothはともに近距離無線通信の技術ですが、以下のような違いがあります。
NFCは通信距離が数センチメートル以内で、Bluetoothは数メートルから数十メートルまで可能です。
NFCは通信速度が424kbpsで、Bluetoothは2.1Mbps(Bluetooth 4.0では24Mbps)です。
NFCは消費電力が非常に少なく、ペアリングの必要もありません。
Bluetoothは消費電力がやや多く、ペアリングを行う必要があります。
NFCはデバイス間の同期や決済などに適しており、Bluetoothは音楽や画像などのデータ転送に適しています。
以上のことから、NFCとBluetoothはそれぞれ異なる用途に向いていると言えます。
おサイフケータイやSuicaとの違いは?
ほとんど同じです。これらはFeilCaというSONYが開発した独自規格です。これは日本のみで使える規格です。例:Edy(エディ)、Suica(スイカ)、nanaco(ナナコ)
他にもこのような規格はあり、国際標準規格であるISO/IEC 14443 Type A(taspo:タスポ等)、ISO/IEC 14443 TypeB(IC運転免許証、住民基本台帳カード等)などがそうです。
これらの通信規格を総合したものをNFCと呼びます。
NFCだと、国際標準規格なので、VisaのpayWave、MasterCardのPayPassなどが利用でき、世界中でおサイフケータイが利用できたりします。
世界的に近距離通信規格を統一しましょうという流れの中でNFCが誕生しました。
NFCでできること
料金支払い(おサイフケータイ)NFCを使って決済する方法
NFCを使って決済する方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
NFC搭載スマートフォンに電子マネーやクレジットカードの情報を登録しておき、店頭でNFC対応の決済端末にスマートフォンをかざす方法です。
例えば、iPhoneならApple Pay、AndroidならGoogle Payなどがあります。
NFC搭載のカードやキャッシュカードなどを店頭でNFC対応の決済端末にかざす方法です。
例えば、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードや、QUICPayやiDなどのクレジットカードがあります。
以上の方法であれば、簡単にタッチだけで決済ができます。
NFCは統一規格なので様々な非接触ICカードやICタグの規格に互換性があります。
そのため、駅での改札口にかざしたり、お店でお金を払う時にかざしたりして料金を支払うことができます。
NFCのリーダー機能
NFCのリーダー機能とは、NFCに対応したスマートフォンやカードリーダーが、NFCタグと呼ばれるICチップに保存されているデータを読み取る機能のことです。
NFCタグは、ポスターや広告などに貼り付けられており、スマートフォンをかざすだけでウェブサイトやアプリなどにアクセスできます。
また、マイナンバーカードや健康保険証などにもNFCタグが搭載されており、スマートフォンで読み取ることで電子行政手続きなどに利用できます。
NFCで端末同士の通信
NFCで端末同士の通信とは、NFC対応の機器同士で相互にデータをやり取りする機能のことです。
この機能を使うと、写真や動画、ウェブページや連絡先などをかざすだけで共有できます。
Androidでは「Androidビーム」という名前で提供されています。
iPhoneではNFCで端末同士の通信はできません。
iPhoneのNFC機能は、非接触型決済やNFCタグの読み取りなどに限定されており、Androidビームのようなデータ共有機能はありません。
iPhoneでNFCを使うには、設定アプリから「WalletとApple Pay」を選択し、「Expressカード」や「Suica」などを設定する必要があります。
NFCでペアリング
より容量の多いデータをやりとりするにはNFCよりもBluetoothやWi-Fiの方が有用です。
このとき機器同士を連携させるペアリング(認証)のみをNFCで行い、その後はBluetoothやWi-Fiで高速に通信するということが可能になります。
なぜNFCでペアリングするでしょうか?
それはペアリングが簡単かつ安全にできるからです。
まず、アクセスキーを事前に登録しておけば、「かざす」だけで簡単に、そして明示的な行為でペアリングができます。
また、NFCが10数センチほどの通信距離なのに対し、BluetoothやWi-Fiは10数メートルほどの通信距離があります。
その通信距離が長いために他人に情報が傍受される危険性が高くなります。
なので、ペアリングのみを傍受の危険性のないNFCで行うことが有用なのです。
NFCとは?NFCでできることまとめ
- NFCは「かざす」だけで通信が簡単に行える近距離通信の国際標準規格
- NFCを使うと世界中でおサイフケータイができる
- NFCが搭載されている機器同士の簡単で安全な通信が可能になる
- その他にもさまざまな用途がある
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